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逃げろ!
更新日:2024年11月20日
マタイ2:13-23
占星術の学者たちが帰って行くと、主の天使が夢でヨセフに現れて言った。 「起きて、子供とその母親を連れて、エジプトに逃げ、わたしが告げるまで、そこにとどまっていなさい。ヘロデが、この子を探し出して殺そうとしている。」
さて、ヘロデは占星術の学者たちにだまされたと知って、大いに怒った。そして、人を送り、学者たちに確かめておいた時期に基づいて、ベツレヘムとその周辺一帯にいた二歳以下の男の子を、一人残らず殺させた。
エジプトで生まれたモーセも、ベツレヘムで生まれたイエス・キリストも、王様によって命を狙われました。男の赤ちゃんを全て殺害するようにという命令が下されていたからです。その背景には、独裁者による地位への固執と、自分さえ良ければという身勝手な思いと、手にした権力を失うかもしれないという不安がありました。赤ん坊という小さな存在にまで、恐れを生じていたのです。その後下された虐殺命令。大切な命を奪われた人々からは、「慰めの言葉なんていらない、子どもたちはもう居ないから」と、悲痛な叫び声が響き渡りました。
私たちは、「逃げるのは恥だ」と教えられてきたように思います。しかし、聖書は真逆の価値観を提示します。
逃げろと、神様が命令するのです。神様ご自身が、逃れる場所となる。シェルターとなる。命を守る砦となる。だから、逃げなさいと語り掛けているのです。
逃げてはいけないと思う時、頼れるのは自分の力です。逃げても良いんだと思える時、頼りになる存在を思い出します。私たちの痛みを知り、嘆き悲しむ声を聞かれた主が、共に居て下さる。そして、必要なもの全てを備え、導いてくださる主に頼り、新しい一年を歩み出しましょう。