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99 匹と 1 匹の羊
更新日:11月12日
ルカによる福音書 15 章 1-7
「あなたがたの中に、百匹の羊を持っている人がいて、その一匹を見失ったとすれば、九十九匹を野原に残して、見失った一匹を見つけ出すまで捜し回らないだろうか。そして、見つけたら、喜んでその羊を担いで、家に帰り、友達や近所の人々を呼び集めて、『見失った羊を見つけたので、一緒に喜んでください』と言うであろう。」
ニュースでもアニメでも、どのような立場で語られているか、その方向により受け取りが逆転することがあります。いつも正義のヒーローにやられてしまう悪者でも、その人の側から物語を振り返れば、新しい一面が見えてきます。自分を正しい側に置くならば、輪を乱す存在が疎ましくなります。団体行動で迷子になる人もおられるかもしれません。しかし自分を迷子になった側として、探し出してもらえたならば、この上なく感謝な出来事となるでしょう。
当時のユダヤの文化では、羊飼いは律法を守ることが出来ないため、罪人だと見下されていました。しかし、小さな一匹の羊にまで目を留めて大切にする、羊飼いのような神様をイエスは語ります。神様は、弱い者や小さい者、居ない方が良いと言われている者たちをこそ大切にされます。迷子の羊を見出し、居るべきところに連れ戻せた恵みと喜びを、主は分かち合います。飛び出して行った羊を厳しく裁くのではなく、赦して救い出すのです。迷子の羊を排除していけば、強く正しい羊の群れとなるのでしょうか。むしろ、今度は自分が追い出される番かも知れないと、不安が広がります。教会は一匹の羊を、一人ひとりの命を、お互いに大切にしたいと願っております。
酒井敬仁師
音声メッセージ