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執筆者の写真杉本拓哉牧師
使徒言行録 24 章 1-27 節
「こういうわけで私は、神に対しても人に対しても、責められることのない良心を絶えず保つように努めています。」


アマリリス・ミニヒマワリ・アイビー
アマリリス・ミニヒマワリ・アイビー

 

 沖縄では 6 月 23 日を「慰霊の日」とし、命こそ宝であることを覚えています。この言葉の背後には、79 年前に起こされた戦争において、命が軽々しく扱われた過去があります。日本本土での決戦前の時間稼ぎとして戦いは始まり、敗戦濃厚な状況では日本兵から沖縄県民へ集団自決の命令が下されました。戦後、本土の安全保障のために沖縄はアメリカに差し出され、本土復帰した後も現在に至るまで米軍基地という負担は続いています。命の価値に上下はありません。命を道具扱いし、差別し、軽んじてよい理由など、どこにもないのです。もしも私たちが組織を維持するために、誰かの痛みに鈍感に無自覚になるのであれば、戦争の過ちを繰り返していることになるでしょう。

 パウロはローマ総督の前で、大祭司と長老たちの訴えにより裁判にかけられます。弁護人は、パウロがどれだけ危険人物か、ユダヤ教の正統派ではなく分派を教え、神殿を蔑ろにしていると訴えます。パウロは全てに反論し、総督はパウロの罪を見出しません。しかし総督はユダヤ議会の好意を得るため、2 年もの間判決を引き延ばしていったのです。道具扱いして良い人間などいません。命を慈しむ主の目が共に見ておられるのですから、良心に従って生きていこうではありませんか。


音声メッセージ

特別礼拝
創世記 22 章 1-19 節
アブラハムはその場所をヤーウェ・イルエ(主は備えてくださる)と名付けた。


花材/紫陽花・ヒメヒオウギズイセン
花材/紫陽花・ヒメヒオウギズイセン

 旧約聖書はキリスト教・ユダヤ教・イスラム教に共通する聖典です。登場人物の一人であるアブラハムは“信仰の父”とも呼ばれ、信者のモデルとも言えるでしょう。彼の信仰が際立つエピソードとして、自分の愛する息子を神様に捧げる決心をした場面があげられます。しかし、自分事として捉える時、これ程受け入れがたい要求はありません。子どもの命を取り、祭壇で燃やし尽くすという内容だったからです。

 アブラハムが 100 歳、妻のサラが 90 歳に至るまで、子どもは与えられませんでした。神様が約束しても、そんなことは有り得ないと夫婦は笑いました。その二人の間に息子イサク(意味:笑う)は誕生します。そしてある時、そのイサクを捧げよと主は願われました。アブラハムは納得したわけではなかったでしょう。それでも従っていったのは、自らの理解を超えて御業を成し遂げられる、神様への信頼と祈りです。このアブラハムの信仰に主は応えられ、息子の代わりとして雄羊が用意されていたのでした。旧約と新約は重なり合う部分があります。イエス・キリストの時、愛する神の独り子は、汚れなき小羊として捧げられました。この世を愛し、人々を救うため、主の御業は成し遂げられていったのです。


久留米キリスト教会 踊真一郎師


音声メッセージ

執筆者の写真杉本拓哉牧師
マタイによる福音書 6 章 28-29 節
なぜ、衣服のことで思い悩むのか。野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。


花材/紫陽花・ナルコユリ・アマリリス
花材/紫陽花・ナルコユリ・アマリリス

 アメリカでは 6 月の第二日曜日を「花の日・子どもの日礼拝」とし、子どもたちが花を持ち寄って教会堂を飾り、礼拝にて子どもたちに祝福を祈り、その後それらの花を持って病院へ慰問したり、警察署等へ日頃の感謝を伝えたりしています。色とりどりの花々は、見目麗しく、漂う香りも優しく、心華やいでいくことでしょう。一つ一つを注目して見れば、同じ種類の花であったとしても色や形は異なり、同じものは一つとしてありません。それは同じ親から生まれた動物であっても、異なる愛らしさを持っていることと共通する所があるでしょう。神様の創造の素晴らしさは、植物を通しても現わされています。

 先々月に召天された星野富弘氏は、事故によって首から下の身体機能を失いましたが、口で筆をくわえ数多くの花の絵と詩を描きました。ここで私の好きな三つの詩を紹介します。「いのちが一番大切だと 思っていたころ 生きるのが苦しかった。/いのちよりも大切なものが あると知った日 生きているのが 嬉しかった。」、「痛みを感じるのは生きているから/悩みがあるのは 生きているから/傷つくのは 生きているから/私は今 かなり生きているぞ」、「私にできることは 小さなこと/でも それを感謝してできたら/きっと 大きなことだ」

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