マルコによる福音書 9章2-10節
イエスの姿が彼らの目の前で変わり、服は真っ白に輝き、この世のどんなさらし職人の腕も及ばぬほど白くなった。エリヤがモーセと共に現れて、イエスと語り合っていた。
三月は旅立ちの季節です。新しい環境でチャレンジする方々に祝福をお祈りいたします。旧約聖書の出エジプト記のタイトルは、ギリシャ語で旅立ちを意味する「エクソドス」と名付けられています。今日の箇所でイエスは、真っ白に輝く栄光の姿に変えられて、旧約聖書の代表であるモーセとエリヤと話し合っています。この光景を目の当たりにした弟子たちは混乱しました。伝え聞いた他の弟子たちも、理解するのは難しかったことでしょう。イエスたち三人は「エクソドス」について話し合っています。モーセはエジプトの奴隷だったイスラエルの人々に自由を与えるため、約束の地カナンまで旅立ちました。イエスにおいては、地上からの旅立ちと受け取ることもできます。この後、苦しみの中で十字架につけられていくからです。イエスは罪の奴隷である人々に自由を与えるために、約束の救いの道へと出発しました。私たちは救い主と聞いて、力強いリーダー像を思い描きます。しかし、イエスは誰よりもへりくだる方。その道のりはクリスマスの時に、栄光に満ちた姿を捨て去り、天から地上へと旅立ってこられた時から始まります。この方が私たちを招き、導いておられるのです。
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マルコによる福音書 4章35-41節
イエスは起き上がって、風を叱り、湖に、「黙れ。静まれ」と言われた。すると、風はやみ、すっかり凪になった。イエスは言われた。「なぜ怖がるのか。まだ信じないのか。」
心が追いつめられると、往々にして視野が狭くなります。「〇〇するしかない」と、一つの道しか見えない時は黄色信号です。周りの意見が聞こえる内に、頑なに握りしめた手を解き放ってみませんか。武器を掴むのではなく、互いに手を取り合い、共に生きられるようにと祈りを合わせます。
何故このような悲しい出来事が起こるのか。神様なんて居ないと、絶望に打ちのめされる事があります。弟子たちはイエスの命令に従って舟を漕いでいたにも関わらず、波と風に襲われて命の危機に直面しました。弟子の幾人かは元漁師で、舟は仕事道具でした。そのため、イエスに頼らずに自分の経験を優先しますが、対処療法に過ぎません。危機的状況に陥った時に、私たちが何に信頼を置いているのか明らかになります。頑丈な舟、経験豊富な船長、金銀財宝、兵器などがあれば安心なのでしょうか。弟子たちがようやくイエスを頼った時、神の権威があらわされ、根本的な解決が与えられました。神以外のものをおそれなくてよい。あなたと共にいるイエス・キリストは信じるに足る方です。「神様、助けて!」と叫び求める声を、主は必ず聞いてくださいます。
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マルコによる福音書 4章1-20節
「聞く耳のある者は聞きなさい」
イエスは、集まった人々に「種まき」という身近なたとえを用いて、神の国について語ります。①道端の土地:過去に人から受けた傷や、長年の経験から心が固くなることがある。②石だらけの土地:イエスに期待して願いが叶えられた時には近づき、思い通りに行かないときには離れてしまう。自らに根っこを持たないため、周りの状況によって右往左往する。③茨の土地:悩み事や不安、誘惑や欲望により、神様ではないものに心を向けてしまう。④30倍、60倍、100倍に実る良い土地:イエスの言葉は人々の心に種としてまかれる。イエスご自身が、私たちの心の固いところを耕し、汗水流して石を取り除き、傷つきながらも茨を抜いてくださった。そしてイエスは語られる。あなたは良い土地である。御言葉を受けとり、豊かに実る土地である。あなたを通して神の国は広がると、将来の収穫を見ておられる。
「聞く耳のある人は聞きなさい」神様に立ち返るようにと、イエスは私たちの所にまで来られました。今日も種をまかれ、心を耕してくださる。収穫の喜びは、隣人と恵みを分かち合うためにあります。そのようにして御言葉の種は、江波の地にまで届きました。すぐそこに神の国の情景が広がっているのです。
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