マルコによる福音書 1章9-15節
「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」
言葉には力があります。言葉によって心は容易く傷付いたり悲しくなったりします。その逆に、励まされたり慰められたり命が生かされたりすることもあります。ストレスフルな世の中です。怒りを他者にぶつけてしまう人もいれば、怒りを自分に向ける人もいます。私たちはどのような言葉を語り、どのような言葉を聞いているでしょうか。
聖書は、神様に立ち返っていくようにと招きます。ストレスを身勝手に弱い立場の人にぶつけ、責任転嫁しているならば、神様に立ち返りなさい。度を越した自責の念により、生きるのが辛くなっているならば、神様に立ち返りなさい。自分勝手な生き方により、他者や自分を傷つけている道から、方向転換しなさいと語り掛けます。
ホッと一息つけるような、安心できる場所があります。誰かを傷つけなくていい。あなたも傷つかなくていい。ヒナが親鳥の懐に包み込まれるような空間。神様は一人ひとりに平安を与えるために、天から降って来られました。今が、立ち返る時。神様の声が響き渡っています。「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者。」
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マルコによる福音書 1章1-8節
『主の道を整え、/その道筋をまっすぐにせよ。』
私たちは繋がりの中で生きています。学校でも職場でも、グループの中には先輩や同期や後輩が居ることでしょう。時に助けられ、時に助け合い、同じ目的のために尽力します。なんと、キリスト教の中心人物である、イエス・キリストにも先輩がいました。その人物とは洗礼者ヨハネです。彼の登場は、旧約聖書のイザヤ書において描かれています。実に500年も昔から預言されていました。それでもヨハネは、自分自身に注目を集めるのではなく、イエス様を指差し続けます。「私よりも優れた方が、後から来られる。私はその方が来られる道を、まっすぐに整える声に過ぎない。」
まっすぐにするには、基準が必要です。例えば、二つの地点をヒモで結び、引っ張ることで直線を作り出せます。しかし、拡大して見ればヒモの凹凸がありますし、重力の影響によるたわみが生じており、直線ではないことに気づかされます。それでは、私たちの心をまっすぐにするにはどうしたら良いのでしょうか。曲がってしまった過去の罪を悔い改め、自分自身を基準にする道から、神を基準にする新しい生き方へと切り替えなさい。基準となる方が来られる。主を指し示すために、ヨハネは遣わされているのです。
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マタイによる福音書 5章13-16節
「あなたがたは地の塩である。…あなたがたは世の光である。」
食事を作る際、塩加減が難しいと思うことがあります。塩が多いと、他の味わいが感じられず、健康の面でも体を害してしまいます。逆に、塩を全く摂取しないのも良くありません。冬でも水分不足により熱中症は起こり得ます。塩は体内の水分量や、消化液、血液、神経伝達に至るまで、バランスを整える役割があります。また殺菌作用や消毒効果があり、腐敗を防ぎます。梅干しやソーセージや魚など、塩漬けにすることによって長期保存することが可能になりました。塩は食材に溶け込み、バランスを整え、周りを活かします。『あなたがたは地の塩である』
光は周囲を照らします。昔は火を付けるのも一仕事であり、貴重なものでした。旅をする中では、灯の光によって足元の安全を確保します。家畜の番でも、野の獣から身を守り、危険を察知するための大切な光です。その光には二種類あると思うのです。太陽や星や灯などの自ら輝く光と、その光を反射することによって輝く月の光です。イエス・キリストは光として来られました。一人一人と出会い、その心を暖かく照らしていきました。真っ暗闇に光は目立ちますが、受け取った光は周りを活かします。『あなたがたは世の光である』
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